シンプル・イノベーション (Simple Innovation)

複雑で込み入った事象の単純化にトライ & 新しい発見を楽しむブログ by こうのすけ

かつて、トマソンと呼ばれた芸術があった・・・イマもあるけど

1980年代のある時期・・・トマソンという名の

メジャーリーガーが日本にやって来ました。

彼は、いわゆるダメ外国人選手でした。

ここぞという場面で、必ず三振しましたし、

その様子が、毎度テレビで放送されるわけですから、

トマソンのダメッぷりは、

瞬く間に全国的に知れ渡ることとなりました。

 

わざわざアメリカから連れてきた選手・・・。

でも、これだけ活躍できないと、

誰が監督でも、彼をスタメンから外すでしょう。

トマソンはスタメン落ちした後も、

たまに代打で登場することもありましたが、

やっぱり、三振か凡打を繰り返すばかりでした。

そうやって、日本中の野球ファンの失笑を買い、

彼の名は「役立たず」の代名詞として定着しました。

 

野球では全く活躍できなかったトマソン

それでも、彼は野球とは全く関係ないところで、

再び脚光を浴びることになります。

それは、日本において、

新しい芸術の一ジャンルが誕生したといってもいい

くらいの出来事でした。

 

―――目を凝らして見ると、不思議な物体。

街中に埋もれる一風変わったオブジェ、

機能的には何の役にも立たないけれど、

なんとも味わい深い形をした造形物・・・。

 

そんなモノばかりを写真に撮って、

写真集として出版するブームが起こりました。

(発端は、赤瀬川原平氏による作品だったそうです)

ついには、個展まで開く者も現れたくらいですから、

その人気ぶりが窺えます。

そういった写真集、及び作品は、

いつしか、『トマソン芸術』、あるいは、

超芸術トマソン』などと呼ばれるように

なりました。

(テレビで放送している『陳百景』なども、

 同じ流れかもしれません)

 

さて、本日の写真ですが・・・、

いかにも『トマソン芸術』を思わせます。

(これは、私の家のわりと近所に存在します)

 

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何だかよくわかりません。

実はこれ、バーベルを持ち上げるベンチ・プレスとは

ちょうど逆の運動器具なのです。

左のハンドルのようなものを上から下に引っ張ると、

右にある太い丸太が持ち上がります。

(餅つきができるのではないか、と思いましたが)

 

では、2枚目の写真・・・。

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これは、モロ形そのものがマヌケです。

なんで、こんなものを造る必要があるのでしょう?

ところが、意外なことに、

右のタイヤに腰を降ろしてみると、

これが結構気持ちよかったです。

ホワン、ホワンとした弾力が心地よく、

一度座ると、もう立てないかもしれません。

(中央の丸い空間にお尻を入れてしまうと、

 抜けられなくなるのでご注意を)

 

でも、最近は残念ながら、使用禁止になりました。

一度座って、抜けられなくなった人が続出したせい

でしょうか・・・。

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