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シンプル・イノベーション (Simple Innovation)

複雑で込み入った事象の単純化にトライ & 新しい発見を楽しむブログ by こうのすけ

ある日、ひょろ長の男と抱き合って、暗黒の世界をかいま見た話

私が30歳のころといえば、

もう20年以上も前のことになる。

訳あって、私はとあるセミナーに参加していた。

(断っておくが、オウムとか、

そういう系統ではない)

そのセミナーに参加して、何か意義があったのかと

問われるならば、何もなかったと答える他ない。

 

ただ、ひとつだけ、忘れられぬ体験をしたので、

本日はそれをシェアしようと思う。

 

セミナーの参加者は総勢で数十人。

皆でゲームのようなことをしたり、

何かについて、論じ合ったりした。

 

その一環として、替わる〃〃順番に、

二人組みになって、互いに抱きしめ合う、

というゲームのようなことをした。

(もちろん、男女でも抱き合うこともあったが、

残念ながら、Hっぽい雰囲気はなかった)

 

私は何人かを抱きしめ、あるいは、抱きしめられた。

それでも、私は特に何も感じたりしなかった。(笑)

 

そうしているうちに、ひょろ長で、

ひどく寂しげな男(20代半ばと思われる)と、

ペアーを組んだ。

彼と抱きあった時、私はこれまでとは違う、

未知の感覚を体験することになる・・・。

 

痩せっぽちの彼から、彼の感情(?)ようなものが、

私の中に、洪水のように流入して来たのだ。

 

孤独 孤独 孤独 孤独・・・

 

ただひたすら、孤独・・・

 

底なしの孤独・・・

 

理解されない自分・・・

 

誰にも愛されないでいる自分・・・

 

寂しい・・・

 

感情だけでなく、不思議ではあるが、

彼がいる風景までが、私にはありありと見えた。

 

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彼は真っ暗な部屋で、一人ぼっちで膝を抱えている。

真っ暗なので見えないはずだが、

膝を抱え座っている彼のところだけ、

なぜかスポットライトが当たっている。

彼は顔を伏せ、嗚咽していた。

 

そんな冷え冷えとした風景の中に、

私という存在も紛れもなく混在しており、つまり、

私の意識そのものが空間に溶け込んでいるような感覚

があった。 彼の住む暗黒の世界の冷たさが、

私の腹の中でも確かに感じられた。

 

ここまでくると、彼と私の区別も曖昧になっていた。

彼が孤独なのか、私が孤独なのか、もはやわからない。

不覚にも涙が出た。

彼のために泣いたのか、あるいは、

私が孤独だから泣けたのか、

それもとうとう、わからずじまいだった。

 

誰かが音を鳴らすか、合図を送ったのだろう。

終了の時が来たことを知った。

彼と身体を離すと、幸いにも、

この奇妙な感情移入(?)は終了し、

私は現実の世界へ帰還した。

 

ちなみに、この時の彼は若い頃の「さだまさし」と、

ソックリさんだった。(笑)

(笑っちゃいけないが)

 

彼は元気なのだろうか? こうして書いていると、

その後会うこともなかった彼のことが妙に懐かしく、

もう一度会ってみたい気がする。