シンプル・イノベーション (Simple Innovation)

複雑で込み入った事象の単純化にトライ & 新しい発見を楽しむブログ by こうのすけ

漫画 『 大市民 』・・・山形鐘一郎による強い言葉

『大市民』という漫画がある。

原作者は、柳沢きみお氏。

出世作として『跳んだカップル』があり、

わりと最近では、『新特命係長 只野仁』がヒット。

今もこのシリーズをコンビニで置いてあるところも

多い。

 

我が家の引越に伴い、私が貯蔵(?)する、

『大市民』シリーズを手放すつもりだ。

しかしながら、依然、私が書いた『強い言葉、弱い

言葉』に鑑み、『大市民』から私が感銘を受けたとこ

ろを抽出し、このブログに掲載したいと思う。

 

まず、この漫画の主人公である山形には、

高校教師の片井という友人がいた。

だが、片井は自身が務める高校の荒廃から、

ノイローゼとなり、引き籠り状態に陥る。

そこで、山形が単身、片井に成り代わり、

学校に出向いて授業をしてしまうという設定だ。

しかし、山形が授業をすることは、

学校側からは、何の事前承諾も得ていない・・・。

 

<引用開始>

 

山形:こっちを見いっ!

   一度しか言わんぞ。

   これから授業を始めるが、ちゃんと聞かない

   人は、今日でこの学校をやめてもらう。

   ハイ、みんな、こっち向いて━━━。

 

   君らの片井先生に対する態度と、成人式で暴

   れる若者の行動はよく似ている。 どちらも、

   “弱い者いじめ”という点でね。

   成人式で暴れた若者が、就職先で、

   “社長の話がつまんねぇ”と、クラッカー、

   社長にぶちまけたり、あのように暴れるか?

 

生徒:・・・暴れない

 

山形:その通り!! 彼らはちゃーんと計算して、

   “今暴れても痛い思いはしない”という答えを

   出してから暴れてるんだ。 市長が自分に罰を

   与えられない事も知っている。

   そして、君らも同じ。

 

   (省略)

 

   今のキミら若者が、どうにもだらしなくなった

   のは、キミらに夢がないからだと思う。

   具体的に言えば、大人になる事に楽しみが見つ

   からないのだな。 だから、若さに執着して、

   歳をとる事を異常に怖がる! (省略)

   昔の若者は逆だった・・・早く大人になりたい

   が為に、実年齢より上に言ったものだ。

   今の世の中は、“若さ”を商品のように扱うふし

   がある。 若さが全てのように。

   それは大人に何も魅力を見い出せないからだろう。

 

   しかし、キミらも、今の生き方を続けていたら、

   その大人になっちまうんだ。

   今のキミらは、ヤル気が無くとも、

   ここ(学校)にいられる。

   しかし、同じ心構えで何年後だかに社会に出て

   みろ、どこにも居場所はないぞ!!

 

   (省略)

 

   キミらは、無理矢理ここへ通わされているのか?

   ここは強制収容所じゃないだろう?

   一応はキミらの意志で入ってきたんだろ。

   じゃあ本気でここでの学びに打ち込むか、

   それができないのなら、

   もう学生やめたらどうだ!!

   ダラダラとヤル気のないまま高校出ても、

   その先何もないぞ。 だったら、

   今すぐ、やりたい事をやったらどうだ!!

 

   ふっ、急にそう言われても、何をやっていいの

   か分からんだろうな。

   だったら、モノを創る仕事につけ!!

   いわゆる、“職人”だよ。

   人間ってのはな、モノを創って初めてサルと別

   の生き物になれたんだ。

   だから、モノを創る事には、人間の本能として

   の喜びがあるんだ。

   つまり、「本能の喜び」がある職人になれば、

   喜びのある人生を送れるんだ。

 

   どんな大企業に入れても、会社がつぶれれば、

   自分もそれでおしまいだ。

   しかし、手に職のある人は、

   会社がどんなに潰れても仕事はある!!

 

   ・・・悲しい事だが、多分キミ達のこの国は、

   もうすぐぶっ壊れる!!

   日本が破産するんだ。 ついこの前のアルゼンチ

   ンのようにな。 (省略)

   今、58円で食えるバーガーが、一万円出しても

   買えなくなるって事だ。 (省略)

 

   だから今から、生き方を変えるしかない!!

   沈んでしまうこの国で、「生き残る」為にな!!

 

   ふっ、これにて私の授業は終わりにする。

 

   起立、 礼、

 

   じゃーな!!

 

   <引用終了>

 

  <集英社刊・大市民・第19、20、21話、

  「教壇に立つ前編・中編・後編」から

   抜粋引用しました>

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ああ、これでスッキリした。

心置きなく、この漫画を手放せる。

(淋しくはあるが・・・)

 

それにしても、これは小泉さんが首相をやってた頃の

話だから、その時分、58円で買えるバーガーって、

あったのか・・・?

だとすれば、相当なインプレではあるなあ。

 

とはいえ、日本はいまだ財政破産だけは避けられて、

いまこうして、私も生きている・・・。

 

追伸:絶対に” 職人 ”でなきゃダメだと、

私は考えているわけではありません。

それは、原作者も同じだと思います。

ただ、ここでは、極端な例を挙げたのでしょう。

このことについては、いずれまた書きたいです。