文末まで、完読してもらえる文章の書き方【超初級編3】
ブログで文章を書くとき、
あるいは、推敲を行うとき、
私にはチェックポイントが3つあります。
本日は、その3項を超初級編として、
ここで手の内をさらすことにしました。
いつになく、真面目に書いています。
ただし、アクセス数UP的なものは省きます。
あくまでも、“文章”に関してのみです。
1:【同じ言葉やフレーズを多投しない】
まずは、これに尽きます。
ありがちな失敗は、『・・・ですが、』という
フレーズを連続して書いてしまうことです。
例えば、こんな感じです。
►私もよくやってしまうのですが、
ヘタな文章を書いてしまいます。
►全くの無意識なのですが、
『・・・ですが』を続けて書いてしまいます。
こんな文章を自分で書いた日には、
私なら、ナニをさし措いても、
速攻で書き直します。
それって、美しくないからです。
理由はそれだけなのですが、
(あっ、↑で早速使った・・・)
実際、こんな書き方をしている作家など誰も
いないと思うわけです。
日本語として美しくない、です。
『だが』関連の他にも、まだあります。
『・・・ので、』や『・・・なので、』など。
これらも、つい、やってしまう表現です。
美しくないので(←やっぱり使った・・・)、
控えましょう。
『だが』にしても、『ので』にしても、
実は、根深い問題が潜でいます。
それは、『対比』と『理由付け』。
『だが』= 対比、
『ので』= 理由付け
AだがB・・・のように、
私達の脳は、物事を対比して考えます。
一方で、『美しくないので』といった理由付け
もよく行っています。
つまり、脳内の情報処理のほとんどが、
対比と理由付けの繰り返しといっても過言では
ないくらいです。
恐らく、そのようなプログラムが脳内で確立さ
れてしまっており、ゆえに、私達は気付かぬう
ちに、無意識でこれらのフレーズを連続使用し
てしまうのだと考えられます。
また、このような対比と理由付けの文章は、
『前置き』の役目も果たすゆえに、
つい書いてしまっているものです。
もう小まめに推敲するしか、
手立てがありません。
それは、推敲しないと発見できません。
お陰様で、私はようやく、
あまり連続使用しなくても、
書けるようになってきましたが・・・。
余談ながら、『そして、』、『あれは、』、
『これは、』、『それは、』などから始まる
センテンスを続けて書くのもヨロシクないです。
2:【長文はなるべく控える】
私は表現を短くし、
出来るだけ、短文にするよう心掛けています。
ブログは横書きがほとんどですから、
長い文章は読みにくく、疲れます。
私も以前は、長い文章=気品のある文章みたい
に錯覚していた時期がありました。
でもそれは、所詮、錯覚でしかありません。
すでに亡くなった方ですが、
ハードボイルド作家として名を馳せた、
故西村寿行さんという方がいました。
西村氏は短文の名手です。
一行に於ける、言葉の連なりが極端に少ない。
本のページの下のスペースが、
ほとんどが白紙に見えるくらいです。
それでも、ヘタな文章よりも、
よっぽど胸に迫ってくる文章なのです。
これに私は惚れました。
それ以後、一行の長さは、なるべく短くして、
早めに『。』を打つようにしています。
とはいえ、長い文章を全く書かないわけではあり
ません。 上述の文章の中では、
<恐らく、そのようなプログラムが脳内で確立さ
れてしまっており、ゆえに、
私達は気付かぬうちに、
無意識でこれらのフレーズを連続使用してしまう
のだと考えます。>
というのが、一番長いです。
けれども、この手の長い文章を連続で書く気には
なれません。 長めの文章も書くこともあるので
すが、あくまでも稀に書くというスタイルです。
ご参考までに、長い文章の手本として、
私の好きな文章を挙げてみます。
故中島らもさんによる長文です。
臨死体験や死後の世界についてのエッセイ。
『その「死んでいる状態」について、
さまざまな憶測が生まれてきて、
そこに宗教の成り立つ地平があるわけだが、
考えてみると、これは人間のロジックや言語によ
る思考が生み出す錯覚のひとつではないだろうか。
』
(中島らも著『僕にはわからない』P-28より
掲載)
長い文章ながら、味のある文章です。
とくに『地平がある』との表現に痺れます。
それでも、エッセイの頭から最後まで、
ずっとこんな調子で書かれてあったなら、
読む方も辛いと思います。
ポイントは、長い文章を書いたならば、
次のセンテンスは短く、です。
これで、文体にメリハリが出ると思います。
3:【主語と述語を合わせる】
これは、ある意味一番笑えるミスです。
ときどき、主語と述語が合ってない報告書の
ようなものを読まされることがあります。
以前に当ブログで書いたように、
主語と述語を本当の意味で理解したいのであ
れば、英語の不定詞を勉強するのが一番です。
不定詞を理解すると、たとえば、
主語は物や人の名前だけではないことがわか
ります。 繰り返しますが、主語とは、
物や人の名前だけではありません。
ある時、仕事の報告書が上手く書けない人がいて、
その方から、私に添削するよう頼まれたことが
ありました。
読んでみると、一文がやたらと長い・・・。
そこがまず問題でした。
しかも、長いから主語がどれを指しているか
がわかり辛い・・・。
わかり辛いせいなのか、筆者本人自らが、
述語を主語に対応しているようには書いてい
ない。
たぶん、こんな文章だったと思います。
主語:『我々として第一に改善すべき点は』
述語:『検品を行います』
これでは、主語と述語が合っていません。
日本語として、ヘンです。
述語にどうしても『検品』を入れたいので
あれば、『検品です』とだけ書けばいい。
でも、それでも、文章のデキとしては、
明らかにイマイチです。
主語:『我々として第一に改善すべき点は』
に対応する述語があるとするならば、
それは下記のようになるでしょうか。
述語:『我が社の検品システムを抜本的に
見直し、新しい検品体制を構築並びに確立
することです。』
これならば、それなりの文章になります。
もう少し、簡単な例を出してみます。
主語:俺たちの目標は
述語:優勝です or 優勝することです
これならば、文章としておかしくはありま
せん。 しかしながら、
次のような文章はヘンです。
主語:俺たちの目標は
述語:優勝します
主語と述語が合っていません。
(言いたいことは、わかりますが)
主語:俺たちは、
述語:優勝します
これは問題ありません。
うっかりしていると、
主語と述語が合ってない文章を書いてしまい、
失笑を買うことになります。
同時に、合っていない文章の連続ならば、
最後まで真剣に読む気も失せてしまいます。
お互いに、気を付けたいものです。
では、まとめます。
文末まで、完読してもらえる文章の書き方
【超初級編3】
1:【同じ言葉やフレーズを多投しない】
2:【長文はなるべく控える】
3:【主語と述語を合わせる】