シンプル・イノベーション (Simple Innovation)

複雑で込み入った事象の単純化にトライ & 新しい発見を楽しむブログ by こうのすけ

WBC 2009 タイムリー・エラーしたキューバの選手

霧の深い夜だった。
球場のナイター設備をもってしても、
バックネット裏からの映像では、
センターを守る選手の姿がボヤけて見えた。


WBC 2009 第2ラウンド、米国3月18日、
日本対キューバ戦。 今大会、調子を崩したまま、
復調の気配さえ垣間見られないイチロー選手。
象徴的場面は、4回表のイチローの打席であった。
恐らく自分で決断した送りバントを敢行するも、
三塁横のファールゾーンへの小飛球となり、
飛び出したランナーが帰塁出来ず、
ダブルプレー
ジャパンはチャンスを潰してしまう。


後のインタビューでは、この時のバント失敗について、
「ほぼ心が折れかけた」と語っていたイチロー選手。
私がもしバント失敗の当事者だった
と想うと、
ゾッとするだけで済ませられるか自信
がない。


それでも、運命の歯車は静かに風向きを変えながら、
イチロー選手優勢の方向へ僅かに回転し始めていた。


4回表のキューバ攻撃。
1死から、青木単打、稲葉二塁打と続き、
二死ながら2・3塁にランナーを置き、
小笠原を打席に迎えた場面だった。


小笠原はセンター方向への飛球を放つ。
しかし、夕暮れ時にこの霧だ。
打球の行方を正確には追い難い。
センターホルダーの動きがぎごちなく、
着用のレイバンのグラス越しに、
少なからず動揺の色が見て取れた。
次の瞬間、中堅手は打球を一旦グラブに収めるも、
ボールはすぐに弾かれ、芝生へ跳ね落ちて転がった。
イムリー・エラーである。
青木と稲葉が順番にホームを踏み、
ジャパンに幸運な2点が転がり込んでいた。


イチロー選手はその後、7回にライト前ヒット。
9回にはあわや本塁打かという当たりをセンター後方
へ放ち三塁打とした………。
一気呵成に不振からの脱却をアピールする見事な打撃
であった。


ところで、4回にタイムリーエラーを演じたキューバ
の選手………彼の背番号は奇しくもイチロー選手と同じ
51番だった。


(2009年WBC日本戦の影響かどうか不明ながら、
キューバからドミニカ共和国に亡命。
少なくとも、
昨年2018年までMLBまに在籍した模様。
米メジャーに於いて、イチロー選手とは、
どんな思いで対戦したのだろうか・・・)