イチロー選手が変わった理由を、対談相手の矢沢永吉さんのせいに勝手にしてみた
イチロー選手が始動しました。
新チーム・マリーンズのキャンプに参加した
模様です。
(元ニュースは、こちらで↓)
イチロー、“ツンデレTシャツ”でキャンプ地入り 道具は新天地カラーで統一 (デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース
東京で行われた入団会見でもそうでしたが、
イチロー選手は自分の言葉で雄弁に語ってい
ました。 オリックスで新人の頃は、
もっと慎重で、口数も少ない人でした。
ですから、ずいぶんと彼も変化したものだと
あらためて思います。
根拠も何もないのですが、彼が変わったのは、
もしかすると、ある人物との対談がきっかけ
だったのではないかと考えます。
もちろん、2006年に、メージャーの年間
最多安打記録を更新し、トップに立ったこと
も大きかったと思います。
しかしながら、それ以上に、大きかったのは、
やはり、その人と対談したことがきっかけ
だったのではないでしょうか。
それ以後、イチロー選手のコメントが、
かなり大胆なものになりました。
その対談相手とは、あの矢沢永吉さんです。
以下、関連書籍より、貼り付けます。
会話が物凄く噛み合っているところです。
<掲載開始>
イチロー: 僕はいままで、矢沢さんのよう
に五〇歳を越えられた方、あるいは四〇歳を
越えられた方とお会いしてきました。
まぁ様々な四〇代、五〇代の方々とお話をさ
せていただいて、感じていたことがあるんで
すよ。 それはなにかというと、
その年代で、失礼ですけど魅力のない方って、
もう自分が行くところまで行っちゃったみた
いなんです。 若い人に対して、
ちょっと上からものを言ってくるんですね。
矢沢: うん、うん、
イチロー: そいういう方たちは、
なんか上からものを言う姿勢で来られる傾向
があるんですね。
自分は、世の中のことをたくさん知っている。
いろんな経験を重ねてきている。
だから、聞きなさい。 私は教えてあげるよ、
っていうようなスタンスなんです。
そういうスタンスで来られると、
「ああなんか、この人は限界なんだろうなあー」
って思うんです。
矢沢: なるほどね。
イチロー: それとは逆に、輝いている人って、
常にさらなる上を目指してる。
常に誰とでも対等。 いくら歳が違っても、
常に目線を僕らと同じところまで持ってきてくれる、
そんな懐の大きさがあるんですよね。
それが、まさに矢沢さん。
いまたったこれだけの短い時間、お話させていた
だいているだけでも感じるんですけど。
矢沢: いやいや。(笑)
僕ね、いまイチローさんが言われたこと。
その、ちょっと目上の人で、
上から「教えたる」みたいなものを感じる
ときがあると。 そういうときは、
イチローさんは「この人、もう限界なんだろ
うなぁって思う」と。
イチロー: はい。
矢沢: 僕ね、こう思うんですよ。
欲求・・・・つまり、
なにかもっと欲しいんだとか、
もっと自分はハッピーになりたいんだって
いう人。
そういう人は上から言うとか言わないとか、
そういうことすら、ないと思う。
イチロー: そういうことすらない、と。
矢沢: わかりますかね。
もっと全然、普通なんですよ。
だから、僕なんかそうなんですよ。
「さて、今年は俺どういうライヴをしようかな」
っていうこと、ただそれだけ。
これは永遠に変わってないんですよね。
イチロー: はい。
矢沢: そういうことなんですよね。
自分はもっと楽しもうとか、
自分がやるべきことがあるとか。
自分には、今年はどういうテーマがあるのかな
とか。 そういう自分に対して新たなテーマが
ある人は上から言うだの、言わないだの、
歳の差があるだの、ないだのってことすらもな
いでしょう。
イチロー: なるほど。
矢沢: だからたぶん、やるべきテーマがある
人間同士が向き合えば、
お互いの会話は普通の会話になる。
いまこうして向かい合っているイチローさんと
僕だって、二〇歳ぐらい違うでしょう。
イチロー: 二四ですね。
矢沢: 二四歳違いますよ。 つまりこれって、
ふた回り違うんですよ。
ふた回り違うとやっぱり世代も違う、
考え方も違う。 違うけど、
ふたりの間において一本、共通のものはなにか
って言ったら、現役ってことなんですよ。
イチロー: はい、そうですね。
矢沢: 僕、まだ現役なんですよ、
おかげさまでね。 現役やってると、
「さて、今年はどうしてやろうかな」
って思うんですよ。
イチローさんも、毎年そう思いませんか。
イチロー: 思います。
矢沢: 「去年はああしたしな、だから今年は
こうしてやろう」って。
今年はどうしてなくちゃいけないんだろうって
いうことに対して、僕、ずっと変わってないん
ですよ。 一〇年前も、二〇年前も、
ちっとも変わってない。
それって、すごく幸せなことなんです。
ほんとすごく幸せなことなんです。
だから、いまも現役でいる、いまも昔と変わって
ない。 だから毎年やるべきことがある人間は、
そんな上だの下だの、
右だの左だのってことなんか、
ありゃしないんだよね。
イチロー: わかります。
矢沢: だから、イチローさんが感じられた、
「この人、限界なんだろうな」って。
これ、その通りなんですよ。人に対して、
「教えてやろうか」って言った段階で、
その人はもう熱くないんです。
もう、絶対に熱くないですよ。
そういうこと言ってる人は、
実はもう現場にはいない人なのかもわかんないね。
イチロー: ああ、そうかもしれないですね。
<掲載終了>
(ぴあ株式会社刊)のP-22~P-26より引用掲載さ
せていただきました。 また、この対談の模様はテ
レビでも放送されました。 今でも、Youtubeで観
ることが可能かもしれません・・・
消されていなければですが)
最近、友人から、若いヤツにビシッと言ったってくれ、
みたいなことを頼まれました。
ですが、上記対談が頭にこびり付いて離れない私で
したから、とうとう何も言えずに終わりました。