シンプル・イノベーション (Simple Innovation)

複雑で込み入った事象の単純化にトライ & 新しい発見を楽しむブログ by こうのすけ

イチロー選手凱旋、そして10年前のフラッシュ

イチロー選手、凱旋。
17日からの巨人、日本ハムとのオープン戦を経て、
アスレチック戦とのメジャー公式戦が控える。


テレビ観戦している限りでは、
イチロー選手の
打撃はいまひとつ振るわないものの、
守備では相変わらずの強肩を披露。
そのハツラツとした身のこなしで、今も観客を沸かせている。


ーーーところで、今を遡ること10年前の2009年
3月9日。 この日、第2回WBC予選東京ラウンド
が開催され、原監督率いるサムライ・ジャパンは
宿敵韓国との大事な一戦を迎えていた。


私は運よくこの試合のチケットを入手して、
東京ドームの二回席の三塁側に陣取っていた。
後ほど、野球ファンの友人とここで合流する段取り
であった。

一回裏、ジャパンの攻撃。
先頭打者イチロー選手がネクスト・バッター・
サークルに入り、いつもの準備を行う。
相手投手の投球練習が終了するとほぼ同時に、
イチロー選手は左バッターボックスに向う。
そして、剣道でいう「正眼の構え」のように、
右腕一本でバットを構え、それを相手投手に向ける。
あまりに有名になった、
イチロー選手独特ののルーティンだ。


やがて、相手投手の奉(ボン)投手が初球を繰り
出すべく投手モーションに入った瞬間だった。
東京ドームを埋め尽くした観客が、
皆一斉にフラッシュを焚いた。
そらは、ほぼ同時の集中放火に等しかった。
恐らく、どこかの謝罪会見で浴びせられる光の量
と匹敵するくらいてあったろう。
これでは、眩しくてたまらない。
これでは、構えているキャッチャー・ミットの
位置が分からない。
どこに投げいいのか検討もつかない………。
そう感じたのか、奉投手は投球動作を途中で放棄。
そのまま、審判に抗議するため、
スタスタとマウンドを降りて主審へと詰め寄った。


これにより、球場全体が一気にクールダウン。
場のボルテージが一気に下がった。
(………ガックリ来たというか、
拍子抜けしたというか………)


しばらく抗議は続いたが、
やがて場内アナウンスが流れた。

「投球動作に入ってからは、
携帯電話やデジタルカメラで撮影するのはお控え
ください」

というものだったように思う。

(そう、10年前のあの日、
まだiphone を始めとするスマホは主流ではなく、
ガラケーとデジカメの全盛期だったのだ)



つづく………。