シンプル・イノベーション (Simple Innovation)

複雑で込み入った事象の単純化にトライ & 新しい発見を楽しむブログ by こうのすけ

不思議な現象は、人生のオマケのままでいい

18日の記事では、少し不思議な話を書きました。

ある種の“ゾーン”に入ってしまい、

通常とは違う感覚を味わった・・・というものです。

 

剣道経験者の友人によると、

相手の動きがスローに見えたということは、

彼も体験済みとのことでした。

また、野球選手でも同じようなことがあるそうです。

相手投手が投げるボールが、

自分の調子がいいと遅く見えるとか・・・。

 

したがって、私の書いたことぐらいは、

誰の身にも起こるものだと思います。

ただし、いつも、どこでも起こる、あるいは、

自分で起こせる種類のものではないのでしょう。

 

元投手の江夏豊氏は、自分が投げる外角低めへの

軌道が、投げる前からキラキラ光って見えたことが

あったそうです。 ですが、本当に調子のいい時に

限られたといいます。 いつでも、見えたわけでは

ないようです。

 

下記の記事では、

otakebi13.hatenablog.com

 

『感情移入』について書いています。

これについて、私にはある考えが浮かびました。

もしかすると、『感情移入』というワザ(?)は、

練習すれば出来るようになるのではないか、

とふと考えたのです。

 

かつて、美空ひばりさんという有名な歌手がいました。

私はひばりさんのファンではありませんでしたが、

若いころに、テレビでひばりさんの歌う『悲しい酒』に、

思わず涙したことがありました。

とっても悲しい歌で、ひばりさんも歌いながら、

大粒の涙をボロボロ落とすのです。

その瞬間、こっちまで泣けてしまいました。

 

そんな経験から、もう一度『悲しい酒』を聴けば、

もしかしたら(感情移入が起こり)また泣けるのでは

ないかと考えました。

もう一度見て泣けたなら、

ひばりさんが歌う『悲しい酒』は、

感情移入の恰好の教材となり得るのではないか。

そのような浅はかな魂胆でおりました。

 

Youtubeで探して、『悲しい酒』を観てみました。

その結果・・・今回は泣けませんでした。

どういう理由か、響いてくるものがないのです。(汗)

涙どころか、悲しい気持ちにさえなりませんでした。

 

恐らく、想像するに、気負いながら観ても、

あるいは、泣けるという期待感を抱いて観ても、

決して泣けるものではない、ということが、

遅まきながら分かりました。

 

『感情移入』を練習するのは不可能だと思います。

恐らく、意識の拡大というのか分かりませんが、

『スローに見える』という現象も、

練習して身に着けることは出来ないのでしょう。

 

でも、それでいいのです。

ああいうものは、いわば、オマケのようなものです。

人生のちょっとしたオマケ・・・。

そんなものが、稀にあれば、

生きていくことも、また楽しいのかもしれません。

 

必死になって練習して、獲得するのではなく、

放っておいた方がよさそうです。

その方が、幸せではないでしょうか。

 

f:id:otakebi13:20080812070937j:plain